毛髪の役割

Role of hair

毛髪の役割

「髪は女の命」と言われ、古来から大切なものとして扱われてきました。
髪は人類特有のもので、主にケラチンたんぱく質から構成されています。このケラチンたんぱく質にはシスチン結合という非常に丈夫な結合が含まれるため、毛髪は化学的・物理的に安定なのです。数百年~数千年もの間、毛髪が分解されずにエジプトのミイラの人骨と共に発見されていることから理解できると思います。
現代では男女を問わず大切なファッションの一部として毛髪は取り扱われますが、本来の役割は次の4つと考えられています。

 
 

1.暑さや寒さから身を守る
毛髪の中心部には毛髄質(メデュラ)と呼ばれる空洞の部分があります。犬や猫などの動物の毛にも毛髄質があり、人と比べて空洞部分が大きくなっています。この空洞により、毛髪は熱を伝え難い性質を持つため、外気の寒暖を頭部に伝えにくくする働きを持つと考えられています。
2.直射日光や紫外線から頭部を守る
黒髪にはメラニンという色素が含まれ、この色素が遮光することで、頭部への紫外線の影響を抑えます。
紫外線を浴びすぎるとメラニン色素が分解され、黒髪の場合髪色は赤茶色に色褪せます。
3.衝撃から頭部を守る
毛髪の中心部には毛髄質(メデュラ)と呼ばれる空洞の部分があります。この空洞を利用して毛髪は圧力がかかった場合に変形し、クッションの役割を果たします。毛髪1本は細くても、頭部全体では約10万本の集合体になりますので、衝撃から頭部を守る役割を果たします。
4.体内の老廃物や有害物質を体外に排出する
人は普段の生活の中で、多くの有害物質を体内に蓄積してしまいます。有害物質には水銀、カドミウム、鉛などがありますが、これらを毛髪内に取り込み、体外に排出する働きがあります。このことを利用して覚醒剤使用の有無を毛髪1本から検出する方法も開発されています。